今日から定期的に北方系生態観察園の情報をお届けしましょう。
今年は、まだ森の中へ入るのは無理です。雪が多くって、長靴では足がとられてしまいます。暖かくなって一雨降れば・・・という感じです。
雪がなくなった地面も霜柱でこんな状態です。
故縣功先生と共に16ヘクタールのお山の植物調査をして、大学に「北方系生態観察園実施報告書」を提出したのが1997年。そして堀田准教授が第3代薬草園園長になった1999年から段階的に散策路建設が行われ、2000年には、北海道大学薬学部を定年退職した吉田尚利氏を招聘して以来、加速度的に北方系生態観察園がステキになってきました。北方系生態観察園や薬草園のことはホームページ上に掲載されていますので、ぜひご覧になってください。こちら⇒北方系生態観察園など。
今では、多くの薬剤師さんたちも能動的に森の整備に力を貸してくれるようになり、里山としてどんどんステキに進化し続けています。これからも応援、よろしくお願いします。
さて・・・4月8日、北方系生態観察園の様子です。
写真右の斜面はカタクリ、エゾエンゴサクなどが咲き乱れる場所ですが、こんな状態です。
この斜面を登りきったところが東の尾根と呼ばれるところです。三叉路になっています。
まだこんな状態です。
ですが・・・日当たりの良いところは雪がきっている場所もあります。
歩きながら上から見ているとなにもいないように見えますが・・・、実は、植物たちの芽出しエネルギーがいーっぱい!なんですよ。


エゾエンゴサクの芽出しです。花を咲かせた状態だとなんとなくみんないっしょのように見えますが・・・芽出しは全てのエンゴサクが異なる生命体です。漢方では、「人間一人一人全てが違う」が常識ですが、エゾエンゴサクの芽出しは、それをビジュアルに伝えてくれるのです。ちなみにエゾエンゴサクは安中散という漢方方剤の中に配される重要な薬用植物でもあります。
さて、他の芽出しもどうぞ!

これは・・・せり科のオオハナウドです、ふさふさした毛がきれいですね。
上左は、葉っぱをもむと桜餅の香りのするクルマバソウ。上右は北海道では1,2を争うほど背丈の高くなるエゾニュウの力強い芽出しです。
これらは、クルマバツクバネソウです。薬用植物です。
上左はコンロンソウ。上右は・・・なんとニリンソウの芽出しです。
上の2枚はナニワズです。もうすぐ春1番の黄色に出会えますよー。
上の2枚の写真は両方ともエゾニワトコの冬芽です。左が暑がり(実証)、右が寒がり(虚証)のエゾニワトコかもしれません。漢字で書くと蝦夷接骨木なんですが・・・これでエゾニワトコって読ませるんですからね(笑)。
下左はニガキ、右がホオノキの冬芽。両方とも重要な薬用植物です。
下左が、エゾノバッコヤナギで右がサワシバです。ここから全てが始まります。
そうそう、山から下りたところに赤い屋根の東屋がありますが、北方系生態観察園内に自生する植物たちの写真をリニューアルしました。
ぜひご覧になってくださいね。
それから、宮本さん、ありがとうございました。